「詐欺」なのか「演出」なのか

「この差って何ですか?」という番組がある

TBSのバラエティ番組で、似ているけど実は違うものの「差」を教えてくれる番組である。

今TBSは「SDGsについて考える「地球を笑顔にするウィーク」という取り組みを行っており、この番組でも先週からの企画で、出演者の不要なものをフリマアプリ等に出品して必要な人にリユースしてもらうことを目的とした企画をしていた。

私は、先週は見ておらず、今週だけその番組を見た。

そしてその番組内では、左上に「フリマアプリ各社の差」という文字がずっと掲げられ、ナレーションでは「日本には色々なフリマアプリがありますが、はたしてその差とは何でしょうか?」「各種フリマアプリの特徴は何でしょうか?」と視聴者の興味を引き付ける発言がなされているのである。

 

そして、各出演者がどのような商品を提供したかの紹介をし、

「〇〇さんの服はメルカリに出品したところ□□円で売れました」

「△△さんの靴はメルカリに出品したところ売れませんでした」

と全員分の結果が発表されたあと

「合計で●●円分売れました」「ありがとうございました」

で番組が終了したのである。

(ナレーションはもっと丁寧だったが、番組の骨格はこんなもんである)

 

え?SDGsに無理あり番組内容を合わせたにしても、番組冒頭から「フリマアプリ各社の差」って説明してなくない?と思わずツッコんでしまった。

 

「フリマアプリ各社の差」というタイトルで番組をするなら、

別ジャンルの商品をそれぞれアプリの数用意して、それぞれ1つづつを各フリマアプリに出品して、売れるまでの時間や売り上げた金額、値切りや質問されたコメントの数(手間の多さ)などを比較して紹介する番組じゃないの?

 

一部、商品はこのような名前の付け方をすると、売れやすかったりするなどの解説が入ったりしてたし、バラエティ番組としては成立はしていると思う。

 

しかし、そもそも、出演者が提供した不用品が売れてないか、いくらで売れたか紹介しただけで「この差って何ですか?」の番組タイトルを全く満足していないのである。

 

そう、「タイトル詐欺」なのである。

(以下、厳密に法律上の「詐欺」ではなく、視聴者を騙しているという意味で「詐欺」という言葉を用いる)

 

もちろん、この番組はバラエティではあるので「タイトル詐欺」は「演出」ということで問題視はされない。

 

 

バラエティにおける演出は通常認められる行為である(という風潮である)

 

現在、テレビよりもYoutubeを見るという若者が増えてきていると思うが、Youtubeはこの手の演出という名前の「タイトル詐欺」「サムネ詐欺」が蔓延している。そして、そのYoutubeについている広告には本当に詐欺のような(健康食品等)の広告が付いている。

 

Youtubeにしろ、テレビにしろ、このあたりはもう少し厳密にルール化したほうがよさそうだ。

 

これはテレビの例であるが、通販系のCMで化粧品であったり、サプリメントであったり、膝サポーターであったりで、ユーザーとされる方が「これは楽ですね」(Aさん)「とても楽になりました」(Bさん)などを発言している動画が入り、テロップで「これは個人の感想です。効果効能を保証するものではありません」とある。

 

確かに、医学的に証明された成分が一定以上配合されているということでもなければ、薬事法景品表示法等の関係で、「これは個人の・・・」と書かざるをえないのであろうとは思う。そして我々が本当にAさん、Bさんに発言したかを確認する方法はないのである。

「個人の感想です」と書きさえすれば、それが本当の感想でも、CM製作者に言わされている内容でも見分けがつかないのである。

 

これは、「詐欺」ではなく「演出」と捉えるのが日本の常識なのである。

 

別のテレビのCMで、ペットフードのCMで、犬がペットフードを食べているシーンが映されて「おいしいよー」というアテレコがされており、こちらも「個人の感想です」という記載がされているのである。

 

まず、犬は人ではない。

このCM制作会社に犬と完全に意思疎通ができる特殊能力を持っている人がいて、本当に犬の言葉がわかるのであれば、

「個犬の感想です」と記載すれば「詐欺」ではないであろう

しかし、この世の中で完全に一言一句犬の言っていることがわかる人はいないはずなので、ペットの飼い主のセリフで「『おいしいよー』と言ってると思います」というセリフを入れて「個人の感想です」と記載しないと「詐欺」である

 

そんなことを言ったって、普通にタレントが出てる番組で、タレントが言ってるセリフだってタレントの本音ではなくCM制作会社が作成した広告用のセリフなので、それも「詐欺」って言いたいのか?ということになる

 

さすがにこのレベルを「詐欺」という人はいないだろう。そう、それは演出だということがわかっているからである。

 

ここで何が言いたいのか。

視聴者(ユーザー)は同じ番組(広告)内容であっても、その映像等に対して「詐欺」と思うか聞き流すかどうかは、「番組の演出」であると捉えるか「事実を語っている」と捉えるかで決まるのである。

 

現在の広告はそこを逆手にとって、できるだけ「事実を語っている」ように見せかけて法律上は「番組の演出」というテイの虚偽広告を入れてくる広告が多いのである。

 

そして、広告を作っている側が、その演出において、バレなければ法律上は問題にならないのだから、バレない範囲で過剰演出をしようという思考をしている広告が増えているように感じる

 

私のようにCMや番組の一言一句を聞き取って真剣に見てる人はすくない。Youtube全盛の今の時代、大体の人は番組やCMを聞き流しながら見ている。「個人の感想です」なんて文字は見ていない。複数枚ある契約書の小さい文字で書かれた文字をチェックしていないのと同じように。

 

我々はそういった広告や番組に騙されないように気を付けなければならないし、そのような広告(広告以外の放送すべて)において何らかの規制をしていかなければならないのではないだろうか?

 

P.S.

「世界の果てまでイッテQ」の宮川が世界のお祭りに参加する企画で、そのお祭りは実際には存在せず番組が作り上げた祭りであったということがフライデー?され、お叱りをうけ自粛していたが、私にとってはあれは詐欺ではなく演出の範囲ですで通りそうなものだったけど。

私にとっては、情報バラエティーと、バラエティーは別物で、情報バラエティーの情報部分については嘘はダメ。バラエティーは全般嘘(演出)でOKという認識なのだが、視聴者によって認識が違うようですね

 

P.S.

「この差ってなんですか?」の今回の企画は先週からの続き物で、おそらく先週に、各フリマアプリの差を説明しているっぽい。なので先週から見ている人は何の疑問もなく見れたのかもしれないが、私は今週しか見ていないので意味不明の内容だった。

冒頭で先週のおさらいをするか、番組内の煽り文を変えるかどちらかの対応をすべきだったと思う