兵庫県のGoto食事券の転売がニュースになってる件

現在、どの県でもGotoイートキャンペーンでプレミアム付き食事券が販売されているが、兵庫県のその食事券を買うための申し込み用はがきが、メルカリ等のフリマアプリで販売されているとのことで、支援事業を所管する農林水産省からメルカリ側に出品停止を要請したとの報道がなされている。

 

これに対いて、一部のネット民から、転売批判やメルカリ批判が起こっているように感じられる。

 

私は、この出品停止要請が何のために行われているのか理解できない。

 

私が調べた限り、もともと兵庫県のGoto食事券は先着順で(Webと申し込み用はがき)で受け付けていたが、すぐに完売してしまい、Webで変えなかった人が多かったらしい。そして、現在は抽選方式に変わったので、この申し込み用はがきを購入する必要がないとのことらしい。

 

まず、兵庫県の販売方式(先着にして抽選にしなかったこと)が大前提として悪かったと思う。

 

抽選システムを採用するより先着にするほうが楽なのは理解できる。そして熟考を重ねて先着にしたのなら、市民の苦情に負けず先着で貫き通せと思う。

 

市民から苦情がきて抽選方式に切り替えれるほどの余裕があるなら、最初から抽選方式にすべきであった。

 

兵庫県は最初の1回で全発行部数を販売するのではなく、何回かに分けて販売する予定のようだ。これで先着方式をとれば、買いに行ける欲しい人は何度も買えて、欲しいけどその時間に行けないひとはずっと買えないシステムであったのである。

 

これをわかったうえで先着販売したからこそ、今回の問題が起きたのであって、今回の問題の真因はメルカリでもメルカリユーザーでもない。事前準備をしなかった兵庫県であり、その時間を兵庫県に与えなかった政府でもある。

 

そのうえでの話になるが、政府の今回対応が理解できない。

 

現剤、この申し込み用はがきを持っていても持っていなくてもWebで抽選に応募はできるし、もしくは公式のサイトから応募用はがき画面を印刷すれば官製はがきに貼って応募もできるらしい。

 

そして、ネットニュースにはこうある。

『事務局は「専用はがきを入手すれば当選が確約されるわけでもなく、購入しないでほしい」と呼び掛けている。』

 

どういうことだろうか?

 

まず、抽選式に変わった後であろうが、変わる前の先着順であろうが、この食事券を購入するにはWebで申し込むか、この申し込み用はがきが必須なのである。

官製はがきに貼って出すにしてもWebから印刷が必要なのだから、Webを使えない人からすれば申し込み用はがきを手に入れるしかない。

 

Webを使えない人のために用意された無料配布の「申し込み用のはがき」の価値はWebを使えない人にとっては抽選式であろうが先着式であろうが変化がないのではないであろうか?

 

しかし、Webを使えないひとにとってというのは今回の問題点ではない。なぜならWebを使えないひとはメルカリで出品されたこの「申し込み用のはがき」を購入できないからである。

 

メルカリを利用できる人は当然Webが使用できる。

 

メルカリを利用できる人はWebで応募できるし、専用サイトから印刷もできるのである。現時点では一時期のマスクのように数限りのあるものを転売されているのではなく、本来必要ないし印刷さえすれば無限に作りだすことができるものをメルカリに出品して、値段がついているのである。

 

では、なぜこの「申し込み用のはがき」に値段がつくのか。

 

ひとつは、どうしてもプレミアム食事券がほしくてWebだけでなくはがきでも応募したいのだがプリンターが家になくコンビニのプリンターも使いたくない人(まあそんな人がいるのかは知らないが)

 

もう一つは、抽選方式に切り替わったのを知らない、かつ、Webから印刷できるのを知らなくて、この「申し込み用はがき」を入手すればプレミアム食事券を購入できると勘違いしている人

 

この勘違いしている人を救済するために政府がすることが、メルカリへの出品停止要請でいいのか?

 

その前にこの「申し込み用はがき」を説明することのほうが先であろう。

 

この「申し込み用はがき」は無料配布されているものだし、担当者が「はがきの転売は想像すらしていなかった。」と答えていることから、この「申し込み用はがき」に転売禁止と記載されていないであろうし、そもそもこれに価値のないものだから、有価証券に当りもしないとおもうので、メルカリに出品できない理由は存在しないはずである。

 

もちろん、出品者が商品の説明で「食事券を必ず購入できます」などと嘘が記載されていれば、メルカリの規約違反で出品停止にはなるだろうが、特に出品者が嘘をついていなければこれが出品停止になる理由がわからない。

 

 

誤解が発生する可能性があるから、つまりは、後々購入者からクレームが入るのが怖いから民間企業に対して出品停止要請をするって、筋が通ってない気がする。

 

「申し込み用はがき」を手に入れた人が出品する権利もあるし、先ほどの例にあげたプリンターがないけどどうしてもはがきで応募したい人が購入する権利もあるはずだ。

 

その人たちの権利を一方的に奪うことになるのではないだろうか?

 

情報弱者のために政府が動くのを全否定するつもりはない。ただ、政府が損をしない事に関しては知らないほうが悪い。補助金を受けたければ勉強しろ。というスタンスできてるくせに、政府が批判されそうなことに関しては情報弱者救済ということで民間に圧力をかけて(ごく一部のマイナーな利用者ではあるが)利用者の権利を侵害するというのは筋が通っていないと感じる。

 

私がこんな疑問を感じないよう、普段から情報弱者にやさしい政府になってもらいたいものである。