コンビニの弁当の底上げ問題は、国家論に通じるものがある

最近(といっても結構前からではあるが)、コンビニの弁当の底上げ、サンドイッチの張りぼて、ドリンクの内容量誤認問題がツイッター等でアップされ、小さな話題になっている。

 

これについて、私は同感であり、これをやっているコンビニ側のやり口は悪質であると考えている。

 

しかし、日本の、いや世界の首脳陣との強いパイプを持つと噂のある友人に話をしたところ、それはユーザーの自業自得だという。

 

正直言ってがっかりだ。

 

弁当の底上げは、「弁当を温めた際に均等に温まるように」、それ以外のサンドイッチとドリンクに関しては「見栄えをよくするため」というコンビニなりの言い訳があってのものであろう。しかし、こんなのは明らかに優良誤認表示である。

コンビニの上げ底やサンドイッチの断面偽装は、あくまでもユーザーを騙すためではなく、すこしでも見栄えを良くしてお客様に気持ちよく買い物をしてもらおうと考えた企業努力と主張する人もいるかもしれない。

コンビニに限らず料理というのは、目でも味わうものであり、美しく盛り付けたりするのも企業努力の一部であることを否定するものではない。

しかし、その企業努力は、あくまでも商品を美しく盛ること(良品にあった容器を用いること等を含む)で、商品価値を上げ、ユーザーの満足度を上げるための努力である。

その本来の企業努力によって商品価値の上がったものをユーザーが受け取った(購入した)ときの感想は、ユーザーが満足するものであるべきである。そして、そういう目的で行われたものに関しては、一般的にユーザーの満足度は当然上がる。

ローストビーフを普通に並べているのではなく、花びらのように並べてあったら、ユーザーは綺麗と喜ぶであろう(ごく一部特殊に花にトラウマがある人以外は)。そして普通に並べているだけのものより数は売れるであろうし、その工数分値段が少し上がっていてもユーザーは納得するであろう。だから、このケースでいえば、売る側、買う側がwin-winの関係になる。

 

しかし、弁当の底上げはそれと同じであろうか。確かに最初の一見はおいしそうに見えるかもしれない。その部分だけを見れば、先ほどの例と同じように見えなくもない。

しかし、このケースはあくまでも開封までの見た目を偽装しているだけであって、一部の人以外は、そのカラクリに気づいてしまいガッカリするのである。

そう、この企業努力という偽装は、ユーザーを満足させずユーザーをがっかりさせるのである。

もちろん、その弁当が美味しければ偽装があったとしても、がっかりはしないっていともいるであろう。しかし、その人は、その偽装がなかっても味で判断して満足しているはずで、偽装のおかげで満足度が上がるひとよりも、偽装のせいで満足度が下がる人のほうが圧倒的に多いのである。win-winになってないのである。

 

そして、このwin-winになってない原因が、コンビニ側の予測ミスでもマーケット不足でもなんでもなく、故意に行われている偽装のせいであることが問題なのである。

 

 

おそらく、その世界を裏で動かているであろう友人が言いたいことは、

オレオレ詐欺で騙されたって今でも話題になってるけど、もうこれだけやり口公開されてるんだから、ユーザー側で対策をしろよ(できるだろ?)。本人ができなければ家族が防いでやれよ。という発想であり、

 

駅やエスカレーターで盗撮されたって話を未だに聞くが、本気で盗撮されたくなければ、短いスカート履かなければいいし、その下に見せパンでも履いてれば、ユーザー側で防げるだろうよ

 

という発想であり、要は、すべての文句を政府や地方自治団体に求めるのではなく、自分で防ぐ術があるものについては、まずは防ぐ努力をせよということであろう。

 

自民党の言う「自助・共助・公助(公助の前にまずは自助せよ)」と同じ考え方であろう(友人本人にも、自民党にも解釈が合ってるか確認はしていないが)

 

いわんとしていることを全面的に反論するつもりはないが、前提条件が異なっていることをまず主張したい。

 

オレオレ詐欺でいまだに被害者がでている現状で、なぜひっかかる。気を付けろよとは私でも思う。引っかかる方の対策が不十分だとも思う。しかし、オレオレ詐欺での大前提は詐欺師が一番悪いという前提があり、そのオレオレ詐欺は警察に特定されれば刑罰を受けるというのが前提であって、ただ、全部の詐欺師を特定するのは現在の警察では不可能だから、それぞれが気を付けないといけないという話である。

 

盗撮も同じ。そりゃ、そんな恰好してたら、盗撮したい人が盗撮しにくるでしょ。とも思うが、あくまでも盗撮は犯罪であり、盗撮する人が一番悪いという前提がある。そしてその人が現行犯で捕まれば刑罰を受けるというのが前提であって、ただ、全部の盗撮犯を現行犯で捕まえるのは現在の警察では不可能だから、どうしても盗撮されたくなければ、ユーザー側が服装なりを気を付けなければいけないという話である。

 

しかし、昨今のコンビニの問題はこの前提がまだ成り立っていないのである。

錯視、錯覚をつかって、分量を多く見せたり、具が詰まってるように見せたりして商品を買わせる手法において、ユーザーはコンビニに騙されず見極めて買わないといけない時代になってきてしまっているというのは否定できないが、このコンビニの卑劣な行為が、不当な行為とまだ世間から認定されておらず、グレーなまま拡大していっている過渡期なのである。

この過渡期の状態で、すべてユーザーの責任(確認不足)としてしまうと、このコンビニのやっている不当な行為はコンビニ界に収まらず日本全国に広まってしまう可能性さえあるのである。一日も早く、この行為を悪質な行為と認定し、我々日本人全員がちゃんと監視できるようにしていかなければならないということを警鐘を鳴らしているのである。

 

もちろん、このような弁当底上げのようなものは現在の法律では(内容量の文字に虚偽の記載がない限りは)犯罪には当たらないレベルのものになっているだろうし、こんなことが問題になるのは日本だけで、世界ではもっとひどいレベルの問題が多発しているであろう。世界にまでいかなくても、日本の世の中の裏の社会にはもっとダークでグレーなものがあふれているのかもしれない。

だからこそ、グローバルスタンダードな感性を持ち、そのダークな世界にも普段触れている友人には、これはささいな問題であり、コンビニの企業努力と言ってしまってもいい問題であり、全てはユーザーが気を付けないといけないとあくまでも主張するかもしれない。

 

しかし、日本において、どれだけ信じやすい人がいてもオレオレ詐欺にひっかかってしまう世の中じゃない(オレオレ詐欺の電話がない)時代のほうがいいやん?

 

日本において、どれだけスカートが短くても、盗撮なんかされない世の中のほうがいいやん?

 

それと同じように、コンビニ弁当を見て、家帰って開けてみて「騙されたやんけ」って思わない世の中のほうがいいやん?

 

グローバルスンダードを考えをお持ちの方は、ファストフードの席をカバンで見張りなしでキープする、スーツケースで場所取りをしてコーヒーショップの列に並ぶ等の行為は愚の骨頂なのかもしれない。まあ、私でも海外でそんなことはしないであろう。

 

しかし、ここは日本である。ファストフード店でカバンで席をキープしても、カバンも席もキープできるし、スーツケースを置いてコーヒーのレジに並んでも戻ってきたらスーツケースはそこにある。財布を落としても、半分ぐらいの確率で中身が入ったまま警察経由で戻ってくる。日本はそのようなすばらしい国家なのである。

 

そう、日本の素晴らしいところは、治安、教育、道徳心なのである。

 

そんな日本をグローバルスタンダードレベルまで下げる必要はない。

 

ただでさえ日本の道徳教育レベルは下がってきているのだから、悪いものは悪いと早急に認定し、正す方向に動かなければ、日本の治安、道徳常識はますますグローバルスタンダードまでさがっていってしまう。

 

そうなれば、いつまでたっても私の理想とする国家にはならないどころか離れていってしまうではないではないか

 

国家の中枢とのパイプがあり、いつ裏で実権を握るのかもわからないお方には、そういう理想国家を目指すという気持ちを忘れずにいて欲しいものである。

 

そうでなければ、ただの自民党と同じであり、がっかりとしか言いようがない。